スカーフ継ぎは、木材の両端に長く同じ傾斜をつけ、その面を合わせて2本の木材を端から端へつなぐ継手です。接する面積が単純な突き付け継ぎよりも大きいため、接着剤がよりしっかり効き、長い重なりによって、つないだ木材が1本の材のように振る舞いやすくなります。
スカーフ継ぎは、一般的な手工具で切ることができます。作業そのものは難しくありませんが、正確な墨付けと力加減が重要です。2つの傾斜は一致していなければならず、切断面は平らに保ち、作業中は木材をしっかり支える必要があります。
手工具で作るスカーフ継ぎは、モールディングの長さを延ばしたり、桟を修理したり、木目のまっすぐな材をつないだり、家具の中で継ぎ目を目立たせずに長さを足したりするのに便利です。ただし、あらゆる荷重を受ける修理に適しているわけではありません。継手が大きな構造荷重を受ける場合は、経験のある職人に相談するか、建物や対象物に適した継手と補強方法を使用してください。
道具と木材
必要なものは次のとおりです。
- 木目がまっすぐで、同じ種類または相性のよい木材
- 罫書きナイフまたは細い鉛筆
- 直角定規
- 自在定規
- よく切れる胴付き鋸またはほぞ挽き鋸
- よく研いだ鑿を1本以上
- 木槌
- あれば、平鉋または削り台
- 木材と用途に適した木工用接着剤
- クランプ、当て木、そしてはみ出した接着剤からクランプを保護するための端材の紙またはプラスチックフィルム
万力があると便利ですが、ホールドファストやクランプを使い、頑丈な作業台に材を押し付けて固定することもできます。切断箇所の近くで木材を支えてください。支えのない長い板は、鋸が切り終わる際に振動したり、割れたりすることがあります。
継ぎ目の近くに節の緩みがない、まっすぐで健全な材を選びます。スカーフ部分を通じて、木目ができるだけ連続していることが望まれます。木材がねじれていたり、押しつぶされていたり、ひどく割れていたり、木目の方向が急に変わったりする場所は避けてください。2本の木材で含水率が大きく異なる場合は、合わせる前に落ち着かせます。接着後の動きによって、丁寧に作った継手でも開くことがあるためです。
スカーフの大きさと向きを決める
スカーフは、木材の厚みに対して十分に長くします。多くの軽作業から中程度の負荷の木工継ぎでは、木材の厚みの約6~8倍の傾斜長が、手で切る場合の実用的な目安になります。たとえば厚さ20mmの木材なら、スカーフの長さはおよそ120~160mmです。正確な比率は、材料、使用できる空間、継手が耐えなければならない力によって変わります。
長いスカーフにすると接着面が増え、断面の変化も緩やかになりますが、その分、より正確な作業が必要です。短く急なスカーフは墨付けが早い一方で、曲げに対して目立ちやすく、また破損しやすくなります。
切断する前に、どの面を見せるか、木目をどのように合わせるかを決めます。家具やモールディングでは、スカーフの厚い肩部分や小さな調整跡が見えない向きに継ぎ目を配置します。板をつなぐ場合は、主な表面を面一に保ち、傾斜面を均等にクランプできる位置に置きます。
木目の方向は、とくに鑿で削るときに重要です。可能な限り木目に沿って鑿が進むように作業し、繊維が浮き始めたら、材を反転するか反対側から刃を入れる準備をしておきます。スカーフは長いため、小さな割れでも驚くほど遠くまで進むことがあります。
継手を墨付けする
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端を直角に整える。 罫書きナイフと直角定規を使い、それぞれの材の周囲にきれいな線を引きます。まず傷んだりけば立ったりした木口を取り除きます。端面を完全に仕上げる必要はありませんが、墨付けは信頼できる直角の肩から始めなければなりません。
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スカーフの長さを記す。 それぞれの材の端から、同じ距離を選んだ面に沿って測ります。面を横切る線を罫書きます。直角定規を使って両側面にも線を続け、どの作業位置からでも切断線が見えるようにします。
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傾斜を設定する。 自在定規を使い、同じ傾斜を両方の材に移します。自在定規は端の線と、スカーフの反対側の端に触れるようにします。薄い斜線や文字で、切り落とす側をはっきり示します。材を裏返したあと、記憶だけに頼らないようにしてください。
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2本目を鏡像として墨付けする。 2つの傾斜面は、互いに補い合う向きで接しなければなりません。予定している向きに2本を並べ、印を付けた面が同じ方向を向くのではなく、重なり合うことを確認します。この段階で仮に並べて確認しておけば、鋸を入れたあとで不自然な向きに気づくことを防げます。
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基準面を決める。 それぞれの材に、基準となる面と側面を1つずつ記します。寸法を移すときは、これらの基準面を作業台やフェンスに当てたままにします。これにより、上から見ると正しく見える継手にねじれが入り込む可能性を減らせます。
最後の線はナイフで罫書きます。ナイフで切った溝は表面の繊維を切断し、鋸刃を導く小さく明確な道を作ります。見やすさのために鉛筆を使う場合も、鉛筆線だけを頼りにせず、その脇にナイフを入れてください。
余分な部分を鋸で切り落とす
最初の材を、鋸が自由に動けるように切り落とす側を突き出して固定します。鋸は罫書き線の中で軽く持って切り始めます。切り溝ができるまでは短いストロークを使い、その後ストロークを長くして、鋸に切らせます。面の傾斜線に沿って刃を保ち、数回切るごとに側面の対応する線も確認します。
線の切り落とす側ぎりぎりを切ります。残った繊維はあとで削り取れますが、仕上がる傾斜面に切り込んだ部分は元に戻せません。スカーフの幅が広い場合は、重い一度の切断で刃を無理に通そうとしないでください。片側から切り、材を裏返して反対側から切断を完了したほうが、うまく制御できることもあります。
胴付き鋸は、背金で刃が補強されているため、まっすぐな切断を保ちやすく便利です。それでも、刃はよく切れる状態にしておく必要があります。切れ味の悪い鋸では力をかけたくなり、その力によって刃がそれたり、材が動いたりしやすくなります。
切断がほぼ終わったら、切り落とす部分を支え、軽いストロークで仕上げます。切り落とす部分を激しく折り取らせないでください。意図した線より下の繊維まで引き裂くことがあります。
傾斜面を削って合わせる
鋸で切った傾斜面には、通常、少し削り仕上げが必要です。傾斜面をできるだけ作業箇所の近くで支えられるように、材をしっかり固定します。小さな高い部分を取り除くときは、刃裏を切り落とす側に向けた鋭い鑿を使います。薄く削り、必要な場合にだけ木目を横切って作業します。
明確な基準があると、鑿をよりコントロールしやすくなります。高い側から低い側へ向かって削り、木目が浮き始めたら方向を変えます。直定規や直角定規の縁を使い、表面を何度も確認してください。目的は鋸跡をすべて消すことではなく、がたつかず、隙間なく接する2つの面を作ることです。
2本の材を接着剤なしで合わせます。長さ方向の隙間、飛び出した縁、ねじれがないかを確認します。高い部分に鉛筆で印を付け、材を分け、その部分だけを削ります。根気よくこの作業を繰り返してください。合いの悪いスカーフをクランプで無理に閉じようとしてはいけません。木材を曲げたり、接着剤を押し出しすぎたり、継手に負荷を残したりするおそれがあります。
とくに目立つ継ぎ目では、ブロックプレーンや削り台を使って傾斜を整えることもできますが、使いすぎないようにします。表面をよくしようとするうちに、角度まで変えてしまいやすいためです。完全に磨かれた面よりも、互いに合う角度のほうが重要です。
材を手でしっかり押すと継手が閉じ、合わせた状態で位置がずれないことが理想です。つぶして閉じた継手よりも、細く均一な接着剤の線が残る継手のほうが適しています。
スカーフを接着してクランプする
接着剤を塗る前に、クランプを準備し、組み立てを一度仮に行います。クランプの当て面がどこに来るかを確認し、圧力で木材に跡がつきそうなら当て木を追加します。当て木には、作業物に永久接着しない端材の紙などを当てておきます。
接着剤の説明書に別の指示がない限り、汚れのないスカーフ面の両方に木工用接着剤を均一に塗ります。乾いた部分や大きな溜まりを残さず、木目の中まで広げます。基準面をそろえたまま、最終的な向きで材を合わせます。
クランプの圧力は徐々に加えます。可能ならスカーフの中央付近から始め、そのあと両端に向けて圧力を加えます。材の主な面は面一のまま保ちます。はみ出した接着剤は湿らせた布で拭き取るか、使用した接着剤に応じてゴム状になるまで待ってから慎重に取り除きます。木口の継ぎ目に必要以上の接着剤を流し込まないでください。余分な接着剤によって材が滑り、組み立ての制御が難しくなることがあります。
継ぎ目をそのままにする前に、上から、そして長さ方向から位置を確認します。接合面に直定規を置けば、段差が分かります。接着剤がまだ動くうちに修正してください。接着剤の説明書に記された時間、継手をクランプしたままにし、推奨される取扱強度に達するまで負荷をかけないようにします。
接着剤が硬化したあと
クランプを外し、継手を確認します。硬化した接着剤の小さな盛り上がりは、鋭い鑿をほぼ寝かせて取り除けます。木目がスカーフの近くで逆目になっている場合はとくに、木材を横切って強く削らないでください。
面が少し飛び出している場合は、周囲の面とそろうように鉋をかけるか、研磨します。健全な木材側から継ぎ目に向かって作業し、削り量は少なくします。目に見える家具では、修理部分だけ質感が変わらないよう、作品全体で行ったのと同じ手鉋や研磨の手順で仕上げます。
塗料や油、その他の仕上げ材を塗る前に、斜めから光を当てて継ぎ目を調べます。細い隙間、つぶれた繊維、木目方向の変化は、仕上げ前のほうが見つけやすくなります。爪が引っかかるほど継ぎ目が開いているなら、隙間を充填剤で隠すよりも、いったん分解して合わせを修正するほうがよいでしょう。
避けたい、よくある失敗
- スカーフを短くしすぎる。 急な継手は合わせにくく、役立つ接着面も少なくなります。
- 片面だけに墨付けする。 材を裏返したとき、鋸がそれることがあります。墨を木材の周囲まで回してください。
- 仕上がり側の線上を切る。 線を残し、その脇の切り落とす側を切ります。
- 木目の方向を無視する。 とくに節の近くや逆目の部分では、鑿によって長い繊維が浮くことがあります。
- 仮合わせを省く。 接着剤を塗ると修正できる時間が短くなり、合いの悪さを見極めるのも難しくなります。
- 不均一な継手をクランプで押しつぶす。 圧力は、合うように仕上げた継手を保持するためのものであり、合わせを作るためのものではありません。
- 大きく曲げられる場所に継ぎ目を置く。 スカーフをきちんと作れていても、特定の荷重や修理には適さないことがあります。
よく切れたスカーフ継ぎは、控えめな木工継手です。その成功は目立つ意匠ではなく、木材の途切れない線に表れます。丁寧な墨付け、よく切れる鋸、そして根気よく削る作業があれば、手工具と接着剤、時間だけで、木目のまっすぐな材を延長したり修理したりできます。